ACTION6
情報化時代における人文知の役割の模索
ユニークなリベラル・アーツ教育の展開
本学は、建学当初より教養教育に注力しており、2003年には学部・学科の枠を超えて履修する幅広い教養を身につけるための全学共通教育システム「青山スタンダード」をスタートしました。文芸、ジャーナリズムなど創造的な分野で活躍する卒業生の多さは、本学が教育する教養の確かさのひとつの表れと言えます。
この伝統ある教養教育に総合大学の強みを加え、新たに「学部横断プログラム」を展開します。プログラムでは、各学部の学生が共同で問題解決型学習に取り組み、学際的な視点・視野を養います。また、取り組むテーマは現代社会の課題とし、社会のニーズに応える大学への進化を目指します。
過去10年間の文学関連賞受賞者
- 年度 賞
- 受賞者
- 2007 読売文学賞
- 松浦理英子
- 2009 サントリー学芸賞
- 松森奈津子
- 2009 歴程新鋭賞
- 目黒裕佳子
- 2010 ボーン・上田記念
国際記者賞 - 峯村健司
- 2013 直木賞
- 姫野カオルコ
- 2015 文學界新人賞
- 杉本裕孝
- 2016 日本記者クラブ賞
- 尾崎真理子
- 2017 山本周五郎賞
- 佐藤多佳子
- 2018 群像新人文学賞
- 北条裕子
等
OBインタビュー
堂場 瞬一
作家
1986年 国際政治経済学部国際政治学科卒業/2000年小説すばる新人賞受賞
少人数の学科だったので、卒業してから30年経つ今でも友人たちとの関係は続いています。自分と違う世界の人たちが身近にいるのはとても貴重なことで、そういう友人との出会いが待っているのが大学ではないでしょうか。振り返って思うと堂場肇先生のゼミに入ったことが、作家への第一歩だったような気がします。「物を書いて生きていきたいなら新聞記者になりなさい」とアドバイスしてくださったご縁と、在学中に先生が亡くなられたこともあり、先生のお名前の「堂場」をペンネームにさせていただきました。ゼミでは「紛争論」を学び、卒論も一気に100枚くらい書き上げた記憶があります。書くことが苦ではなく、むしろ楽しかったのは今も変わりません。
古典・古文書デジタル文庫プロジェクトの展開
本学図書館が所蔵する176万冊の図書の中には、ラテン語聖書(インキュナブラ)や明治期キリスト教関係図書、明治期英語・英文学関係図書など、貴重書が多数存在します。
計画中の新図書館のコンセプト「最先端のITCを用いた『進化する』図書館」の一環として、これらの貴重書や聖書コレクションの聖書などを中心に、宗教センターや資料センターと協力してデジタル化(電子化)し、インターネットを通して一般公開します。
この取組みを起点とし、将来的に、古典・古文書以外の図書まで公開対象を広げ、すべての人に大学の持つ「知」へのアクセスを提供することを目指します。
青学TVの実践
インターネット上に情報が氾濫する時代になりました。誤った情報に踊らされて人々が行動するようになると、民主主義社会は危ういものになります。大学の社会的使命のひとつは、学問的裏付けのある正しい情報を市民に提供することであり、それが民主主義社会の健全な発展につながります。こうした使命を強く意識しつつ、楽しく動画で情報を提供するために、2017年9月に「青学TV」を開設しました。
多くの皆さんにご覧いただき、また一緒に参加していただけるよう、コンテンツの増加、専用アプリ開発、企業との連携など、さらなる充実に取り組みます。