ACTION2

先端研究への挑戦と次世代研究者の育成

本学の研究を牽引する統合研究機構の設置

青山学院大学内に、本学の研究に関して全学的な視野に立った統合的な事業を行うことを目的として統合研究機構が設置されました。
本学として重点的に取り組むべき個性ある研究戦略の策定等を行うとともに、研究の実施主体として、総合プロジェクト研究所、および総合研究所が置かれています。
総合プロジェクト研究所は、外部資金による研究プロジェクト群からなり、一方、総合研究所は、学内資金による研究ユニット群からなります。この構造は、内部資金による研究が発展して外部資金を獲得し、外部資金研究プロジェクトに移行していくことを意識したものです。この2つの研究所が両輪となり、本学の研究を牽引していきます。

統合研究機構概略図

2018年4月現在のプロジェクト

理工学部附置先端情報技術研究センターの設置

理工学部では加速度的な発展を見せている情報化社会の要請に応えるべく、2018年度に新たに先端情報技術研究センターを設置します。人間情報学、計測と制御、モデリングと最適化、計算知能の4分野を中心とした情報系最先端の研究・教育活動を推進し、その研究成果と人材を社会に還元します。同時に、AI研究拠点形成プロジェクトも同センターにてスタートし、人工知能技術にかかわる学内研究拠点としての活動も始めます。

理工学部附置先端情報技術研究センター

センター長から

大原 剛三

理工学部附置先端情報技術研究センター長/理工学部教授

社会の様々な分野において情報技術が重要な役割を果たすようになりました。特に、機械学習を中心とした人工知能技術に関しては、近年、次々と実用的な技術が生み出され、実問題への応用に関するニュースが絶えません。このような時代の潮流に乗り遅れることなく、さらなる技術革新とその技術を扱える人材への高まる要求に応え、青山学院大学発の技術の存在感を一層高められるように、学内外の連携を中心とした研究プロジェクトを促進する基盤・体制の整備を進めています。

研究展開力の強化 ― 研究マネジメントの発想のもとに ―

2017年度に本学の研究力を産学官連携によって社会貢献へとつなげるため、各教員の専門分野を筆頭に本学の特色ともいえる垣根を越えた学際領域にもおよぶ研究成果を社会に発信し、活用していく「リエゾン・プロジェクト」を相模原キャンパスに立ち上げました。
この「リエゾン・プロジェクト」における活動をベースに、「研究マネジメント」という発想のもと、本学の組織としての研究特性の把握、研究助成に関する情報の収集、公的予算の申請支援、研究資金の管理、研究進捗状況の公表、研究成果の発信などを一括して行う組織体の構築を目指し、研究展開力を一層強化します。

次世代研究者の育成

これまでも本学を舞台として、自然科学分野においては二ホウ化マグネシウム(MgB2)や、その他多数の超電導体の発見や高速道路等におけるETC(自動料金収受システム)用の電波吸収体の開発など、実用性の高い最先端技術開発への試みがなされてきました。また、各学部・研究科の卒業生・修了生の多くが研究者としてその専門性を活かし、教育研究機関をはじめとする各界を先導する役割を果たしています。本学は、これからも次世代研究者の養成機関として、また革新的な研究を手掛ける研究者の発信基地として、その機能を強化します。
2017年度より導入した先端研究、学際研究に携わる若手研究者に対する「アーリー・イーグル」研究支援制度を皮切りに、革新的な研究に対する「学内競争資金」制度を新たに設けるなど、研究を財政面から支援します。被助成者がこれらを研究プロジェクト立ち上げの助走とすることで、ひいては現在相模原キャンパスで展開している私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「炭素素材科学の新展開―希少元素フリーで環境に優しい次世代炭素素材の開発―」(2013年10月~2017年度)や私立大学研究ブランディング事業「次世代Well-being~個別適合をめざした統合的人間計測・モデル化技術の構築~」(2016~2020年度)等のような公的資金等による大型研究プロジェクトへと進展させるための体制づくりにつながります。さらに、優れた研究成果を挙げた若手研究者に対する表彰制度を新たに検討していきます。

次世代Well-being事業モデル化技術実験

ますます多様化する社会に向けて、人を集団として捉えるのではなく、個々人として捉え、情報技術(IT)を駆使して多様なサービスを個別に提供する「次世代Well-being」の実現に向けた研究を行っています。
写真は製造業の中でも自動車を対象とした、工場の管理技術を学ぶためのミニチュア工場。コンピュータを用いて、加工、段取り、組立、検査というモノの流れを実機で体験し、ガント・チャート(作業行程の管理表)をもとに生産スケジュールを視覚化し、改善ポイントを見つけることができます。

Nature Index 2018 Japanで第5位

本学の研究内容を高品質な科学雑誌に極めて効率よく発表していることが示されました。

ハイレベルな研究の一部(理工学部)
●重力波天文学研究(物理・数理学科 坂本貴紀准教授)
●フォトクロミック分子開発(化学・生命科学科 阿部二朗教授)
●グラフェンを用いた透明アンテナ開発(電気電子工学科 黄 晋二教授、橋本 修教授)
 

化学反応によって作成されたフォトクロミック動画

女子短期大学の伝統を継承した ジェンダー研究所(仮)創設

青山学院の源流の一つである、1874年、ドーラ・E・スクーンメーカー(写真)により始められた女子教育の蓄積と成果は、女子短期大学の2019年度学生募集停止後、さらに発展的に新しいジェンダー研究所(仮)の形をとって受け継がれていきます。
この研究所は、差異を認めあう公正でダイナミックな未来社会を切り開くことを目標に、研究・教育と社会貢献を一体化させた新しいスタイルの研究所です。青山キャンパスにおいて、最新のジェンダー研究を基盤に、青山学院における女子教育の伝統とその意義を歴史的に検証し、またこれからの男女共生社会に貢献するため、国際的・社会的活躍に向けた女性のエンパワメントを目指します。短大同窓生をはじめとした青山学院校友と相携えながら、ジェンダー平等社会を目指した生涯教育も展開していく予定です。

ドーラ・E・スクーンメーカー

学界を牽引する卒業生(国際政治経済学部)

林 正義
東京大学教授(財政学)
キハラハント 愛
東京大学大学院准教授(法学)
大野由夏
北海道大学准教授(経済政策学)
川名 洋
東北大学大学院教授(経済史)
三浦 聡
名古屋大学教授(国際政治学)
中山俊宏
慶應義塾大学教授(アメリカ政治学)
佐藤将之
国立台湾大学教授(中国古代政治思想)
那須 仁
オーストラリア国立大学准教授(国際法)
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